新座ロータリークラブ
[1] 2009-2010年度ロータリークラブ委員会組織図 こちら
[2] 2009-2010年度クラブ会長運営方針
会員のみなさまは宗次徳二というかたをご存知でしょうか? 食べたことのあるかたもいらっしゃると思いますが、カレーチェーン店の「COCO壱番屋」の創業者が宗次徳二さんです。宗次さんは今年還暦を迎えられ、わたしよりも2歳年上です。数年前に新聞で宗次さんの記事を読んで以来、わたしは生きかたの点でも、また社会活動に関しても学ぶべきところが大いにあると考えておりました、そして本年度のテーマとさせていただく「One For All . All For One」(ひとりはみんなの為に、みんなはひとりの為に)に深く関係する人物でもありますので、ここですこしこの方の人生について書き記しておきたいと思います。
「日本一の右肩あがりの人生」と宗次さんは自らの人生を述懐しております。実の両親の顔も知らず、児童養護施設に預けられ、その後、養父母に引き取られたかれの少年時代は極貧そのもので、おんぼろ長屋でロウソクを灯す暮らし。養父は競輪場に通いバクチ三昧、その荒んだ生活に愛想を尽かした養母は家を出て行ってしまいます。昭和30年代のなかば、小学校の同級生が3千円のお年玉をもらっていたとき、かれは50円しかもらえなかった。しかし、自らの置かれた境遇を不幸だと思ったことはないと語っています。そして貧乏の反動でお金を儲けてやろうと思ったこともなく、逆に幼少時の苦労に鍛えられたおかげで、その後の人生にプラスになったという。こうした前向きな発想からは、世界的な不況に晒されているわれわれにとっても学ぶべきところが大いにあるのではないかと思います。
妻と二人三脚で創業した「壱番屋」の持ち株を平成14年に売却した時には口座に20億以上の金額が振り込まれたということです。その際に「これは私たちのお金じゃなくて、一時預かり金」であるという糟糠の妻の提案をうけ、この莫大な金額を社会のために使うことに決めました。宗次さんは語っています、17歳の時にテレビから流れてくるクラシックの旋律に心を震わせて以来、音楽はつねに身近にあり、心を癒してくれた、と。平成19年3月、若い演奏家に発表の機会を与え、クラシックの普及、発展を助けたい、という思いだけで、名古屋に30数億円の私財を投じてコンサートホールをオープンしました。58歳で経営から完全に離れ、事業を息子に継がせる思いもなく、会社は創業時からともに働いてきた叩きあげの社員にバトンを渡しました。「私の経営者人生の最大の喜びは、素晴らしい後継者に恵まれたこと」と語っております。少しだけ欲のあるのは人生の最後の迎えかただそうで、その時までには社会から預かったお金は返すつもりだと仰っています。
先に述べたように、宗次さんとわたしはわずか2歳しか違いがありません。けれども、かれの歩んできた人生とわたしの人生を比べたときに、いったいその違いはどれだけのものになるのでしょうか。極貧にありながら、前向きな思考を失わず、利益は社会から一時的に預けられたものと考え、かつて自分の夢中になった音楽のために私財を投げうってしまうといった、こうした姿勢を見ると、わたしは憧れと嫉妬の入り混じった複雑な感情を抱かざるをえません。はたしてわたしにそこまでの大胆さが備わっているでしょうか? また社会のために私利私欲を離れ何事かをなすことが、なんの躊躇いもなくわたしにできるでしょうか?新座市を基盤とするわたしも、地域から得た利益をすこしでも人と社会のために役立てることができないものか。いまはまだちいさなものかもしれませんが、新座に対してなにができるのかということを、ロータリーでの活動を通じて模索しております。偶然にも宗次さんとわたしのイニシャルはM、名古屋市のMの背中を見て、新座のMもまだまだ捨てたものではない、と、自分に言い聞かせる日々です。
人と世界と未来のために、新座R・Cはなにができるでしょうか? よりよい社会を目指すわれわれロータリアンの活動は不規則な転がりかたをし、キャッチすることの難しいラグビーボールに譬えることができるでしょう。時には腕から落としてしまうこともあるかもしれません、しかし、華麗な展開を見せるパスワークで人々に驚きと感動をあたえることもできます。チームを生かすためにも、金太郎飴のロータリーではなく、それぞれの個性を生かし、大上段に構えることなく、地域に(われわれの場合は新座に)根づいた運動体となって行動していく必要があります。なによりもお題目ではなく行動が大切です。ボールを受け取った34名の人間が愚直に一歩一歩大地を踏みしめ、力強く前進していかなければなりません。ゴールを目指して、我らは一心同体、「One For All. . All For One」、ひとりはみんなの為に、みんなはひとりの為に、一心同体となり、進んでいきたいと思います。
重点項目
会員増強に関しては、現下の経済状況において厳しい対応が予想されますが、ピンチをチャンスと捉える前向きで柔軟な発想を持って取り組み、また他団体との交流によって見込会員の発掘に繋げたいと考えております。継続事業の移管・見直しについては、「継続は力なり」と申しますが、時代とともに変革していかなければなりません。惰性や、マンネリ化した事業からの撤退も必要ではないのでしょうか。